台湾でのお正月といえば、通称「旧正月」と言われる「春節」でしょう。
日本とは異なる食文化を持つ台湾は、お正月の時に日本のおせちと全く違う料理を食べます。
この記事は、台湾の旧正月によく食べる料理とその意味をご紹介します。
また、筆者小さい頃から食べてきたお母さんの手作り正月料理レシピも公開しますので、ぜひおうちで作ってみてください!
この記事を書いた人
台湾出身、日本文化と歴史が好きで2014年から日本在住。大好きな台湾料理は臭豆腐です!
台湾のお正月料理は大晦日が本番?
日本のお正月といえば、色々な美味しい料理を重箱に詰めて、家族全員でご馳走する代表料理「おせち」は、新年の一日に食べます。
しかし、台湾のお正月料理といえば、基本的に大晦日の夜に家族全員で一緒に食べる「年夜飯」(ネンイェファン)のことです。
年夜飯は、台湾語で「囲炉」(ウェイルー)と呼ばれ、皆で食卓をかこむ意味が込まれています。
いよいよ終わる一年への感謝と、新しい一年がうまくいくように願いながら、家族全員で正月料理を食べます。
台湾の正月料理を食べる時間をわかりましたら、次は正月中によく食べる料理と食べ物を紹介します。
台湾お正月の代表料理と食べ物
台湾のお正月料理は、日本と同じく当地にとって縁起が良い食べ物がよく食べられます。
それでは、台湾お正月の代表的な料理と食材を紹介していきたいと思います。
大根料理
台湾語では、「大根」のことを「菜頭」(ツァイタァウ)と呼び、「縁起が良い」という意味がある中国語「彩頭」(ツァイトウ)の発音が似ているため、お祝いの時によく食べる食べ物です。
一般的には、大根餅や煮付け大根、大根スープなどの料理が、お正月の時に良く食べられます。
魚料理
魚の中国語読み「ユ」は、「余り」の意味をする「餘」と同じのため、四字熟語の「年年有餘」(毎年食べ物やお金が余るように)という意味を込めて、お正月に欠かせない料理です。
焼き魚や煮付け、カラ汁にするなど、家庭によって様々な魚料理を堪能します。
また、一般家庭では、川魚を食べることが多いですが、海に近い地域などの方は、海魚を食べる習慣もあります。
鶏肉料理
ニワトリの台湾語の読み方「ゲー」の発音は、巣立ちを意味する「起家」(キーゲー)を連想するため、子どもたちが大人になり、一人前として巣立つようにの願いを込めています。
また、昔台湾の農村社会では、ニワトリはたまごを産む大切な財産のため、めったに食べられないので、一年一度のお正月のご馳走として食べられます。
長年菜
長年菜はカラシナの一種で、形が長いため、長久や長寿を意味する食べ物です。
料理する際に、なるべく長年菜を切らずに、長いままで調理するので、長寿の象徴だと言われます。
台湾南部の一部地域は、ほうれん草を長年菜として食べる習慣もあります。
一般的な炒め以外、豚バラ肉や他の食材と一緒に煮込んで食べることが多いです。
うちお正月の時にも良く食べますが、苦いのでやや苦手です。(汗)
干したけのこ料理
たけのこの中国語と台湾語の読み方「スゥン」は、順調を意味する「順」(スゥン)の発音と似ているため、お正月には良く食べられる食材です。
また、たけのこは節目があるため、四字熟語の「節節高升」(一節一節向上する)の意味も含まれています。
一般的には、他の食材と一緒に炒めるや、肉と一緒に煮込むことも多いです。
年糕(お餅)
日本のお正月に欠かせない食べ物「お餅」は、台湾でもよくお正月の時に食べられます。
しかし、日本のようにお雑煮に入れて食べるのではなく、「年糕」は甘いケーキやデザートのような存在です。
「年糕」の中国語は「ネンガウ」と読み、「年高」の読み方と同じのため、長寿の意味が含まれます。
年糕はケーキのような感じで食べるほか、フライパンで焼き年糕や揚げ年糕としてもよく食べられます。
毎年のお正月に、いつも甘い揚げ年糕を楽しみにしていました。?
發糕
台湾の伝統なお菓子「發糕」は、蒸しパンの一種で、お正月時期にお菓子として良く食べられます。
發糕の「發」は、「發財」(お金持ちになる)を意味し、一年の財運を願うことが含まれています。
水餃子
水餃子の形は、昔中国のお金「元宝」と似ているため、財運アップとして、縁起が良い食べ物です。
しかし、お正月料理として食べるのは、主に第二次世界大戦後の中国から移民してきた台湾人家庭が多く、昔ながらの閩南系台湾人はお正月に食べません。
うちは一度もお正月に、水餃子を食べたことなかったですね。
パイナップル
台湾では、パイナップルもすごく縁起が良い果物で、特にお祝いの時に良く食べられます。
パイナップルの台湾語「旺來」(オンライ)は、「繁盛が来る」という意味があり、会社の立ち上げ時の祝いや初詣なども良く見られます。
ちなみに、「繁盛が来る」という意味が込まれているため、無縁仏(親族などがいない故人)を祀る習慣がある台湾の中元では、「無縁仏様がどんどん来る」ため、パイナップルを供物として出すのは禁止です。
みかん
みかんは金色で、また「金柑」などの種類もあり、財運をアップする食べ物として、お正月の時に食べられます。
台湾大晦日の食事習慣
台湾のお正月の時の食事には、特に大晦日の年夜飯のルールが明確です。
家庭にもよりますが、まず基本的に家族皆が食卓を囲み、一緒に食事するこのが多く、誰かテレビを見たり、他のところでご飯を食べたりすることが少ないです。
また、様々な料理は基本的に少しずつ残し、「毎年お金や食べ物は余りがありますように」の意味が含まれます。
最後に、家族皆が食事を終えてから食卓から離れることが許され、これは家庭円満を意味します。
大晦日の食事中にトイレに行っても大丈夫ですが、「食事する前に行って」といつも母に言われています。
はねっ家のお正月料理レシプ
次からは筆者はね実家の大晦日に、よく食べるお正月料理とそのレシピを紹介していきます。
日本でも手に入れやすい食材でアレンジしましたので、ぜひおうちで作ってみてください!
作り方は動画でもご覧できます。
台湾風焼き魚
- 魚 1尾
- ニンニク 2粒
- ニンニクの芽 一本
- しょうゆ 適量
- サラダ油 適量
- 日本酒 少々
台湾の焼き魚は、日本の直火焼きと違い、プライパンや中華鍋で焼くのが一般的です。
- お好みの魚一尾を用意し、表面全体を日本酒で軽く塗り、10分ほど放置します。
- フライパンにサラダ油を入れ、魚を丸ごと投入します。
- フタを閉めて、焼き目が付くまで、弱火でじっくり焼きます。
- この間に、ニンニクとニンニクの芽を食べやすい大きさに切ります。
- 魚を開き返して、再びフタを閉めてじっくり焼きます。
- 両面焼き目が付いたら、しょうゆを入れます。
- しょうゆが煮立てたら、ニンニクとニンニクの芽を投入します。
- 全体火が通ったら、出来上がりです。
豚バラ肉とたけのことの煮込み
- 豚のバラ肉(ブロック) 300g
- たけのこ 150g
- しいたけ 6こ
- ニンニクの芽 2本
- しょうゆ 適量
- 日本酒 少々
- サラダ油 適量
- 八角 お好み
台湾の豚バラ肉の煮込みは、八角や漢方薬を入れることが多いですが、苦手な方は入れなくても美味しいです。
- 豚バラ肉・ニンニクの芽・しいたけ・たけのこをぞれぞれ食べやすい大きさに切ります。
- フライパンにサラダ油を入れ、ニンニクの芽を投入します。
- 全体火が通ったら、しいたけとたけのこを投入します。
- 全体火が通ったら、火を一旦止め、豚バラ肉を入れます。
- 日本酒を少し入れたら、しょうゆで食材を埋める程度まで入れます。(水で味を調整します。)
- 八角や漢方薬を入れます。(お好み)
- 約20分を煮込み、豚バラ肉が柔らかくなったら出来上がりです。
とりむね肉のニンニクしょうゆ味
- とりの胸肉 適量
- ニンニクのチューブ 適量
- しょうゆ 適量
- 日本酒 少々
- サラダ油 適量
お母さんの白切鶏(バイチェージー)味再現できなかったため、自分でアレンジしました。(汗)
- とり肉を食べやすい大きさに切ります。
- ビニール袋などに、ニンニクのチューブ・しょうゆ・日本酒を入れ、とり肉を20分ほど味付けします。
- フライパンにサラダ油を引き、とり肉を投入します。
- 全体火が通ったら、出来上がりです。
大根スープ
- 大根 1/4
- 味覇 or 創味シャンタン 1大さじ
- 豚のひき肉 300g
- 青ネギ 2本
- たまご 1こ
- ごま油 1さじ
- 塩こしょう 少々
台湾の大根スープによく入れられる具は、豚肉の肉だんごととうもろこしです。
味付けしていない豚肉の肉だんごが見つからなかったので、今回は豚ひき肉から作ります。
- 大根を食べやすい大きさに切ります。
- 鍋に水を入れ、大根を入れて煮込みます。
- 青ネギをみじん切りにし、予備します。
- ひき肉に、たまご・塩こしょう・ごま油・みじん切りした青ネギ(1本)を入れて、粘りが出るまで揉みます。
- 水が沸騰したら、スプーンで肉だんごの形を整い、鍋に入れます。
- 全体火が通ったら、味覇や創味シャンタンを1大さじを入れます。
- 再び沸騰したら、残りの青ネギのみじん切りを入れ、30秒したら、出来上がりです。
長年菜(ほうれん草バージョン)
- ほうれん草 適量
- ニンニク 2粒
- しょうゆ 適量
自分カラシナが苦手なので、ほうれん草で代用しました。
また、調味料のしょうゆに関して、実際にはとろみ醤油の方が良いですが、日本ではあまり見ないので、一般的なしょうゆで作りました。
- ほうれん草の根元を切ります。(本当は一緒に食べるが、苦手な方は切って大丈夫です。)
- プライパンにサラダ油を引き、適当な大きさに切ったニンニクを投入します。
- 火が通ったら、ほうれん草を入れ、茎まで柔らかくなったら、出来上がりです。
おすすめの台湾お正月料理取寄せ
最後に、本番の台湾お正月料理を食べてみたい方に、二つの取り寄せ台湾おせちを紹介します。
先ほど紹介した台湾のお正月料理は、基本的に「家庭内」で食べる料理が多く、近年「レストラン系」のお正月料理も増えているので、次に紹介するのはレストランで食べる台湾お正月料理の取り寄せです。
KKday|台湾のおせち料理
台湾發の旅行・グルメ予約サイトKKdayは、期間限定で台湾のお正月料理を予約できます。
一般的お正月によく食べる大根餅のほか、腸詰めや煮込み料理、高級料理の佛跳牆まで取り寄せます。
台湾味|日本在住台湾人の名店
「台湾味」は日本在住の台湾人の中に有名なお店です。
シェフの黄さんは、よくFacebookの日本在住台湾人グループに見かけます。
毎年のお正月料理の内容は少々変わりますが、基本的に台湾レストランで食べられる定番お正月料理が多いです。
台湾お正月料理まとめ
いかがでしたか?台湾のお正月料理とその意味を紹介してきました。
まだ日本に来る前に、お正月料理以外に、リビングのテーブルにもよく箱が置かれ、様々な食用タネやお菓子がありました。
また、親戚やおじいちゃんおばあちゃんの家を回り、いっぱい食べるから、新年太りとよく言われます。(笑)
実際に日本でも簡単に作れるお正月レシピや、取り寄せ台湾お正月料理なども紹介したので、ぜひ皆さんもおうちで台湾お正月料理を楽しんでみてください!